顧客巻き込み型企画とは、新商品の開発や評価に既存客を巻き込み、特別感を演出しながら集客につなげる手法です。ある飲食店では参加費2000円の試食会に350人が集まり、売上70万円を達成しました。この記事では企画が集客できる心理的な理由と実践のステップ、飲食店以外の業種への応用方法まで詳しく解説します。

「新規のお客さんを集めようと広告費をかけても、なかなか反応が出ない」——そんな悩みを抱える飲食店経営者は少なくありません。実は、既存のお客さんを主役にする顧客巻き込み型企画という方法を使えば、広告費をほとんどかけずに大きな集客とリピートを同時に生み出すことができます。今回は、参加費2000円の試食会に350人が集まり、売上70万円を達成した実際の飲食店の事例をもとに、その仕組みと実践方法を解説します。

この記事でわかること

  • 顧客巻き込み型企画の基本的な仕組み
  • なぜこの企画が既存客に強く刺さるのか(心理的な理由)
  • 試食会で350人・売上70万円を集めた実際の進め方
  • 飲食店以外の業種への応用のヒント
  • 導入前に押さえておきたい注意点

顧客巻き込み型企画とは何か?

顧客巻き込み型企画とは、その名の通りお客さん自身を新商品開発やサービス改善のプロセスに巻き込む企画のことです。飲食店であれば、新メニューの試作品を既存客に試食してもらい、「良かったものに投票してください」という形で参加してもらいます。単なる割引キャンペーンとは違い、お客さんに「評価者」「共同開発者」という役割を与える点が最大の特徴です。

この方法は既存客向けの施策であり、LINE公式アカウントやDMなど、すでにお店とつながっている顧客リストがあれば効果を発揮しやすい施策です。新規集客がメインの手法ではない点は押さえておく必要があります。

なぜ顧客巻き込み型企画は集客できるのか

「特別扱いされている」という感覚が行動を後押しする

人は、自分がひいきにしているお店から「あなただけに」と声をかけられると、単純にうれしく感じます。試食会への招待は、既存客に対して「あなたは特別なお客様です」というメッセージを伝える機会になります。この特別感が、忙しい中でもスケジュールを調整して来店しようという行動につながります。

「お得さ」と「新しさ」が行かない理由をなくす

新商品をいち早く食べられること、そして参加費が通常の飲食よりも割安に設定されていることも、来店の後押しになります。特別感・お得感・新しさの3つが同時にそろうことで、「行かない理由がない」という状態が作られるのです。

💡 ポイント:顧客巻き込み型企画は「安さで釣る」のではなく、「特別な体験に参加してもらう」ことで来店動機を作る施策です。値引き訴求とは狙いが異なります。

実践事例:試食会企画で350人・売上70万円を達成した飲食店

ある飲食店では、春の新作メニューを10品試作し、既存客を対象にした試食会を企画しました。仕組みはシンプルです。

1

春の新作候補として試作メニューを10品用意する

2

既存客にLINE公式アカウントなどで試食会を告知し、参加費2000円で募集する

3

来店した参加者に10品を食べ比べてもらい、良かったもの3品に投票してもらう

4

投票上位3品を正式に春の新作メニューとして採用し、告知する

この企画に350人が参加し、参加費2000円×350人で売上約70万円という結果になりました。原価率は通常の営業より上がるものの、「自分が選んだメニューが商品化された」という体験は、正式メニュー化後にもう一度食べに来たくなる動機を生みます。試食会単体の売上だけでなく、その後の再来店にもつながる点がこの企画の強みです。

飲食店以外への応用方法

この仕組みは飲食店に限った話ではありません。例えば治療院であれば、新しい施術メニューの体験会を既存患者向けに開催し、「効果を評価してほしい」という形で協力を依頼することができます。エステサロン、整体、美容室など、新サービスや新メニューを導入する業種であれば、同じ構造で応用が可能です。ポイントは「新商品・新サービスの判定を、既存客にお願いする」という関係性を作ることです。

中小企業庁でも、こうした販路開拓や新商品開発にかかる費用を補助する小規模事業者持続化補助金などの制度が用意されているため、企画にかかる費用の一部を活用できないか確認してみるのも一つの方法です。

導入前に押さえておきたい注意点

1

新規客向けの集客手法ではない。この企画は既存客との関係性があってこそ機能します。まだ顧客リストが少ない場合は、先に既存客との接点づくりを進める必要があります。

2

原価率の上昇を織り込んでおく。試作品の提供や割安な参加費設定により、通常営業より原価率が上がります。再来店による回収も含めて収支を見込んでおきましょう。

3

投票結果は正直に反映する。「評価してもらう」という約束である以上、投票結果を無視してメニューを決めてしまうと、参加者の信頼を損ないます。

既存客との関係性を活かした集客・再来店の作り方については、公的機関の情報も参考になります。中小機構が運営するJ-Net21「飲食業が開業直後にやっておきたい集客販促」でも、優良顧客への特別な体験提供がリピート強化につながることが紹介されています。

まとめ

  • 顧客巻き込み型企画は、既存客に「評価者」の役割を与える集客・再来店施策
  • 特別感・お得感・新しさが揃うことで、来店の後押しになる
  • 試食会形式なら参加費を設定でき、企画自体を収益化しながら実施できる
  • 飲食店以外でも、新サービスの体験会という形で応用可能
  • 新規客向けではなく既存客リストが前提の施策であることに注意

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