口コミの集め方に学ぶ|200件集めたアンテナ工事店の声かけ術
「口コミの集め方が分からない」「頑張って営業しているのに口コミが増えない」——住宅設備や工事、店舗経営に携わる方なら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、あるアンテナ工事会社が、特別なキャンペーンも謝礼もなしに口コミを200件集めた事例です。ポイントはたった1つ、「声をかけるタイミング」でした。
この記事でわかること
- 口コミ200件が「異常値」と言える理由
- 人の満足度の波と、口コミが書かれやすいタイミングの関係
- アンテナ工事会社が実践した「たった1つの取り組み」
- 自社に応用するための4つのステップ
- 口コミ依頼で気をつけたい法律上の注意点
住宅設備業で口コミ200件が「異常値」と言われる理由
アンテナ工事や水道修理、電気工事といった住宅設備系の業種では、口コミが集まりにくいと言われます。ほとんどの場合、口コミは2〜10件程度にとどまるといわれています。そんな中、あるアンテナ工事会社は口コミを200件も集めていました。これは業界の常識からすると、かなりの「異常値」です。
特別なノウハウがあったわけではありません。実はやっていたことは、ただの「声かけ」でした。工事が終わったタイミングで、口コミカード(QRコードと手順を記載したもの)を渡し、口頭で一言お願いする。それだけで、これだけの数の口コミが集まっていたのです。
人の満足度には波がある—口コミが書かれやすいタイミングとは
人は「商品を買った瞬間」と「商品・サービスが提供された瞬間」に満足度が最も高くなり、時間の経過とともに下がっていく、という性質を持っています。
例えばディズニーランドを思い浮かべてみてください。入園した瞬間はテンションが高く、遊んでいるうちに少し疲れて落ち着き、新しいアトラクションに乗った瞬間にまたテンションが上がる。人の感情はこうした波を繰り返しています。
口コミも同じで、満足度が高いタイミング、つまり「感動している瞬間」にお願いするのが、最も書いてもらいやすいのです。ただし、お金を支払った瞬間はまだサービスが提供されていないため書きようがありません。だからこそ「提供された瞬間」が最大のチャンスになります。
口コミ200件を集めた「たった1つの取り組み」
このアンテナ工事会社のお客様は、雨などでアンテナの調子が悪くなり、テレビが映らない、ネットがつながらないといった状況で困って依頼してきた方がほとんどです。そして工事が終わり、「映りました!」「やっとつながった!」となった瞬間、満足度は一気にピークに達します。
その瞬間に「もしよければ、工事の感想を口コミに書いていただけると嬉しいです」と一言添えるだけ。特別な仕掛けは、QRコードと手順を記載したカードくらいのものでした。
なぜこのタイミングが効果的なのか【3つの理由】
1. 満足度が最も高い瞬間だから
感動しているタイミングでお願いされると、人は快くその気持ちを言葉にしたいと感じやすくなります。
2. サービスが「体験」として完了した直後だから
支払った時点ではまだ何も体験していないため、感想を書きようがありません。体験が完了した直後こそ、初めて感想が書ける状態になります。
3. 感動が冷めないうちに言葉にしてもらえるから
時間が経ってからお願いすると、感動は薄れ、後回しにされたり忘れられたりしやすくなります。
ポイント:後日LINEなどで口コミをお願いする会社は多いですが、このタイミングではすでに満足度のピークが過ぎてしまっています。だからこそ「無視されてしまう」ケースが増えてしまうのです。
自社に応用する口コミ収集の始め方【4ステップ】
1自社の「満足度が最も高くなる瞬間」を特定する
施術直後、納品直後、着席直後、修理完了直後など、業種によって異なります。まずは自社の「ピーク」がどこかを洗い出しましょう。
2その場で使えるお願いの一言を用意する
「もしよければ、感想を口コミに書いていただけると嬉しいです」など、自然に言える一言を決めておきます。
3QRコード付きの口コミカードを用意する
口頭でのお願いに加えて、その場でスマホから書き込める導線があると、実際の投稿につながりやすくなります。
4声かけを全スタッフの標準動作にする
担当者によってお願いする・しないがバラつかないよう、マニュアル化して習慣にすることが継続の鍵です。顧客とのコミュニケーションの仕組みづくりについては、中小機構が運営するJ-Net21の経営ハンドブックも参考になります。
口コミ依頼で気をつけたい注意点
1見返りと引き換えに高評価を条件にしない
割引やお礼を条件に「星5をつけてください」とお願いすると、景品表示法上のステルスマーケティング規制に抵触するおそれがあります。あわせて、Googleのポリシー上でも、金銭や割引、無料の商品・サービスと引き換えに口コミを依頼する行為は明確に禁止されており、削除やアカウント停止のリスクもあります。法律とプラットフォーム規約、両方の観点から避けるべき方法です。
2内容を指示しない
「こう書いてください」と内容を指定せず、あくまで事実に基づいた感想をお願いすることが基本です。
詳しい規制内容は、消費者庁:ステルスマーケティングに関する規制について、GoogleのポリシーについてはGoogle:禁止または制限されているコンテンツをご確認ください。
まとめ
- 口コミは「後から集める」のではなく「提供直後にお願いする」
- 特別なキャンペーンより、声かけの仕組み化が効果的
- 依頼内容は指示せず、事実に基づいた感想をお願いする
- QRカードなどの準備は最小限でよい、まずは声かけから始める






