フェイシャルエステ専門店が5万円のコースを22件成約させた「ギフト戦略」を徹底解説します。お客様本人ではなく家族や恋人に贈る発想に切り替え、高額商品への抵抗感を下げる方法や、母の日・父の日・敬老の日など記念日を活かしたタイミング戦略、他業種への応用例まで、中小企業経営者向けに実践ステップを紹介します。

5万円コースを22件成約させた「ギフト戦略」とは?中小企業の売上アップ術

「本人」ではなく「家族」に売る。

高単価商品が動かないときに効く、発想の転換とは

「もっと高単価のコースを売りたいのに、なかなかお客様の反応が伸びない」——サロンや専門店を経営していると、こうした悩みを持つ方は少なくありません。そんな中、あるフェイシャルエステ専門店が実践したギフト戦略という売り方で、通常よりやや高めの5万円のコースを、1回のキャンペーンで22件も成約させた事例があります。値引きをしたわけでも、広告費を大きく増やしたわけでもありません。変えたのは、「誰に売るか」というただ1点でした。この記事では、その具体的な中身と、他業種にも応用できる考え方を解説します。

この記事でわかること

  • 「本人」ではなく「家族」に売るギフト戦略の仕組み
  • フェイシャルエステ専門店が母の日に実践した施策の中身
  • ギフト戦略を成功させる3つのポイント
  • アパレル・理美容業界などへの応用事例
  • 導入時に注意しておきたいポイント
  • 自社のギフト戦略を作る4つのステップ

なぜ「本人」ではなく「家族」に売ると高額商品が売れるのか

多くの店舗では、来店してくれたお客様ご本人に対して「もう一度使いませんか」「継続しませんか」と提案するのが基本の売り方です。もちろんこれも有効ですが、それだけでは単価アップに限界が出てきます。ここで発想を変えて注目したいのが、お客様の「後ろ」にいる人です。例えば30代の既婚女性がお客様だとすると、その後ろには彼女の母親も、夫の母親もいます。この「お客様の後ろにいる人」に向けて売り方を変えるのが、ギフト戦略の基本的な考え方です。

単価が上がるほど、心理的なハードルは「本人」に集中する

高額なコースほど、お客様は「自分にそこまでお金をかけていいのか」という心理的なハードルを感じやすくなります。一方で、それが「誰かへの贈り物」になった瞬間、このハードルの性質は大きく変わります。

プレゼントは「ちょっと高いほうが」価値を感じてもらえる

プレゼントには、独特の心理があります。一番安い5,000円の体験コースを、大切な人への贈り物として選ぶ人はあまりいません。ベラボウに高いものは手が出しづらいものの、「ちょっと高いくらい」はむしろ選ばれやすい価格帯なのです。

💡 一般社団法人日本記念日協会には、母の日・父の日をはじめ年間を通じてさまざまな記念日が登録されています。こうした「贈る理由」がある日を把握しておくことも、ギフト戦略を考えるうえでのヒントになります。詳しくは日本記念日協会の公式サイトをご覧ください。

フェイシャルエステ専門店が実践した「母の日ギフト戦略」の中身

今回紹介する事例は、顔まわりの施術を専門にするフェイシャルエステ専門店のものです。通常の単発メニューよりもやや高めに設定した、5万円のコースを対象に、母の日に合わせたキャンペーンを実施しました。

ターゲットは「顧客の後ろにいる、もう一人の顧客」

案内したのは、来店中のお客様ご本人にではなく、「あなたのお母さんに、この5万円のコースをプレゼントしませんか」という提案でした。ターゲットを、目の前のお客様から、その後ろにいる家族へと切り替えたのです。

母の日という「贈る理由」がハードルを下げた

「今年の母の日はどうしようかな」と考えているタイミングで、「お母さん、最近シミが増えたって言っていたな」という具体的な記憶と結びつくと、プレゼントとして自然に選ばれやすくなります。記念日という「贈る理由」があることで、価格に対する心理的な抵抗感が下がるわけです。

結果、5万円のコースが22件成約した

こうした案内の結果、1回のキャンペーンで5万円のコースが22件成約しました。値引きや大規模な広告出稿をせず、「誰に、どんなタイミングで届けるか」を変えただけで生まれた成果です。

ギフト戦略を成功させる3つのポイント

押さえておきたい3つのポイント

① 「本人では買わない」商品ほど相性が良い
本人が自分のために選ぶには少しハードルが高い商品ほど、贈り物としての切り口が効果を発揮します。

② 贈るタイミング(記念日・行事)を明確に設定する
母の日・父の日・敬老の日・誕生日など、「贈る理由」が明確な時期に合わせて案内することで、行動につながりやすくなります。

③ 「ちょっと高め」の価格設定を恐れない
一番安い商品ではなく、贈り物として選びたくなる、少し上の価格帯のメニューをあらかじめ用意しておくことが重要です。

他業種でも使える!ギフト戦略の応用事例

この「本人ではなく、家族や恋人に売る」という考え方は、業種を問わず応用できます。

父の日・敬老の日に「かっこいいジャケット」を提案した洋服店

ある洋服店では、父の日や敬老の日に合わせて「毎月頑張ってくれている旦那さんに、今年の父の日、ちょっとかっこいいジャケットをプレゼントしませんか」と提案しました。普段は手に取らないような価格帯のジャケットやスーツにも、自然と目が向くようになったといいます。

女性に「男性用シェーバー」を売った成功事例

男性用のT字シェーバーで大きな成果を上げた事例もあります。男性向けにシェーバーを売るのではなく、女性に向けて「あなたの大切な男性、恋人や旦那さんのために、このシェーバーをプレゼントしませんか」と提案したところ、購入につながったそうです。「誰に売るか」を変えるだけで、まったく違う結果が生まれます。

注意点:ギフト戦略で失敗しないために

1価格を上げすぎない
「ちょっと高いくらい」が選ばれやすい価格帯であり、ベラボウに高い設定は逆に手が出しづらくなります。

2「贈る理由」があいまいなまま案内しない
記念日や行事と結びつけず、ただ「高いコースをどうですか」と伝えるだけでは、ギフト戦略特有の後押し効果は生まれにくくなります。

3押し売りの印象を与えない
あくまで「大切な人への贈り物」を提案するスタンスを保ち、売り込み色が強くならないよう案内の言葉を工夫しましょう。

自社のギフト戦略を作る4つのステップ

1

自社の顧客の「後ろにいる人」を洗い出す
家族、恋人、友人など、既存のお客様の周りにいる「もう一人の顧客候補」を具体的にリストアップします。

2

年間の記念日・行事カレンダーを作る
母の日、父の日、敬老の日、誕生日など、「贈る理由」がある時期を年間で洗い出しておきます。

3

「贈りたくなる」ちょっと高めの商品・コースを用意する
本人が自分では選びにくい価格帯を、贈り物という切り口で選びやすい商品として設計します。

4

贈る理由を明確に伝えるメッセージを作る
「あなたの大切な〇〇さんに」という具体的な呼びかけと、記念日を結びつけた案内文を用意しましょう。中小企業庁が公開している経営支援情報なども参考に、無理のない範囲で販促設計を進めることをおすすめします。詳しくは中小企業庁の公式サイトもあわせてご確認ください。

まとめ

  • 高額商品は「本人」ではなく「家族・恋人」に売ると選ばれやすくなる
  • プレゼントは「ちょっと高いくらい」の方が価値を感じてもらいやすい
  • 母の日・父の日・敬老の日など「贈る理由」があるタイミングを活用する
  • この考え方はエステに限らず、アパレルや理美容業界など幅広い業種で応用できる
  • 価格の上げすぎや押し売りにならないよう、案内の言葉を工夫することが大切

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